24 空に開く青いパティオをめぐる家

横浜市戸塚区の住宅地に計画した木造二階建ての住宅です。
三人家族のための家です。多彩な趣味やワインに対する情熱、暮らしを自分たちらしく楽しむための家が求められました。

青のパティオを中心に動きはじめる光や風と平面計画

二階のワンルームに設けた空に開く青のパティオ。
光と風、そして平面計画は、少し偏心させて計画したパティオを中心に動きはじめ、斜線制限と敷地形状は、空間をより広がりのあるものへと導きます。パティオの壁面、太陽の光を強く受ける面を青く煌くタイルで仕上ます。この青のパティオが、住まいに静かな息吹を与えます。

将来予想される近隣環境の変化に対して、影響を受けにくい建物をめざし、同時に空間の骨格をしっかりとつくることで、子供の成長や使い方の変化に対して対応できる家としました。



空に開く青いパティオをめぐる家 外観と内観のイメージ
空に開く青いパティオをめぐる家 平面計画1階 外観イメージ
空に開く青いパティオをめぐる家 平面計画2階 内観イメージ
空に開く青いパティオをめぐる家 断面計画 内観イメージ
空に開く青いパティオをめぐる家 外観イメージ
一階は行き止まりのないぐるっと回れるプランとして計画します。
一階には玄関・ユーティリティー・WIC・寝室とワインセラーを配置します。
外部の温度や湿度の影響を受けにくい建物の中心をワインセラーとします。日々の生活の流れに沿って、使いやすく機能的な動線計画としました。洗面脱衣室は広めに確保し、普段の洗濯物などをそこで干せるようにしています。寝室に隣接する大き目のWICには、家族皆の衣類や荷物等を収納します。

二階は1つの空間として捉えます。
二階にはLDKと書斎コーナー・子供室を配置します。
ここにパティオを設けることで、単純な平面に偏心と動きのきっかけをつくります。パティオを中心にぐるっと回れるプランになります。天井は北側から南側に向かって少しずつ高くなり、それと同じ角度で平面形状も敷地の形に合わせて少しずつ幅が広くなります。それらによって空間に広がりが生まれます。
将来南面以外の三方を囲まれる可能性があるので、主な光の取り入れは、周辺環境の変化に左右されにくい南面とパティオから行うものとしました。南側の窓は光を切り取るフレームと捉え、静謐な輪郭を室内に与えます。パティオの一面は青い壁。ここに反射した光は刻々と変化しながら室内に導かれ、同時に風もそこを気持良さそうに抜けて行きます。
キッチンとそれに連続するカウンター家具は造作家具でつくります。パティオの青い壁の背後、キッチンに隣接して家事コーナーをつくります。こちらも造作家具で構成します。